堪能
仏教豆知識21 -仏教から出た日常語-
日常で使用している言葉の中には仏教から出たものが多くありますが
案外知られていないようです。その中からごく身近なものをシリーズで
紹介していきたいと思います。
堪能(たんのう)
「美味しいものを堪能した。」「あの人は語学に堪能な人。」など、「学芸に優れている」「十分満足する」という意味で、「堪能」は日常的に使われる言葉のひとつです。しかしこの「堪能」も仏教用語のひとつで、「カンノウ」と発音し、そしてその意味は文字通り「堪える能力」のことを指します。
中国隋代の高僧・智顗(ちぎ)は、「魔訶止観(まかしかん)」に
「勝れたる堪能を得る。名づけて力となす」と記しています。
何事もその道を習熟するには堪能(かんのう)が必要であり、そこから得られた結果もまた堪能(たんのう)である、というわけです。
堪える力がなくては学んだり目標を達成することは何ひとつできないでしょう。困難に堪えるからこそ、その結果手にするものには何ものにも代え難い価値があるのではないでしょうか。
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